そもそも雨漏れはなぜ起こるのか?

この問題の前に雨漏りとはどういう現象のことなのかを理解する必要があると考えます。

台風や梅雨時窓の周りや天井付近からポタポタと雨水が落ちてくる…これが雨漏りです。でも実はこれだけが雨漏りではありません。

私が赤外線サーモグラフィを用いて雨漏り診断を始めたのはまだ赤外線サーモグラフィによる雨漏り診断がスタンダードでは無い頃からです。

初めは、水掛をしたり経験や勘で雨漏れを特定しようとしていましたが、どうしても特定できず路頭に迷っていたときに赤外線サーモグラフィに出会いました。

そのおかげで多くの難解な雨漏れ要因を突きとめることもでき、今までの常識では考えられないような場所からの侵入が解明されたりしました。

赤外線サーモグラフィでの雨漏り調査をすると、今まで見えなかった雨水の侵入が見えるようになり、まだ居住空間内に水分が出てきていない雨漏り予備軍も多く発見することがあります。

これにより、雨漏りの概念は基本的に水が出てきている居住空間だけではなく、1次防水や2次防水を越えて侵入してきた水分はすべて雨漏れと認識しても良いと考えます。

なぜならそれらの水分は躯体に影響し、建物の寿命や安全性、資産価値等に大きく影響するからです。

例えば漏水により雨水が柱や壁に侵入した場合、木材を湿らしカビの発生やシロアリの発生を誘発することが多々あります。

ですので私は、雨漏りを起こしたから雨漏り診断をするのではなく、定期的に雨漏れや建築物の劣化がどこまで進んでいるかを調査(健康診断) して、数年に1度は建物診断を実施していただき、資産価値の保全を図る必要があると思います。